アパレル・ファッション業界 最新転職事情
企画や販売の経験がある即戦力人材は引く手あまた
本部勤務ではマネージャーやEC運営の経験者が高評価
アパレル・ファッション業界の仕事は、大きく分けて、企画・製作部門、広報部門、販売部門があります。洋服のほかにも時計やコスメ、ジュエリーなど、幅広いアイテムを取り扱っており、近年はWeb関連サービスに注力する企業も増えています。
アパレル・ファッション業界の仕事は、大きく分けて、企画・製作部門、広報部門、販売部門があります。洋服のほかにも時計やコスメ、ジュエリーなど、幅広いアイテムを取り扱っており、近年はWeb関連サービスに注力する企業も増えています。
アパレル・ファッション業界(織物・衣服・身の回り品小売業)の市場規模は、2024年で約8.7兆円です*。コロナ禍で落ち込んだものの、その後は順調に回復しています。人口減少による需要減は見込まれる一方で、原材料費や人件費が高騰していることから、大幅な落ち込みは考えられにくく、今後も堅調に推移していく見通しです。
コロナ禍の外出自粛を受けて、アパレル業界ではECサイトが成長しました。ECサイトはSNSや動画サイトとの親和性が高く、多様なデバイスやコンテンツを通じたマーケティングが活発化しています。SNSや動画を見たユーザーが商品に興味を持ち、ECサイトで情報を得て、実物を見に実店舗を訪れるという流れは珍しくありません。今やリアル店舗とECサイトの連携を成功させることが、売上を伸ばすポイントのひとつとなっています。
アパレル業界は今、価格やトレンドに敏感なコスパ重視派と、品質や希少性を評価する高級志向派に二極化しています。コスパ重視派にはトレンドを押さえたファストファッションが人気を集めている一方、「時計はこのブランドがいい」「スーツはオーダーメイドで作りたい」といったこだわりを持つ消費者も増えています。
*(出典:経済産業省|商業動態統計)
アパレル・ファッション業界はトレンドの変化が激しいため、世の中の動向を敏感に察知できる人に向いています。環境・エシカルやテクノロジーなど、ファッション以外のトレンドにも注目すると、より消費者のニーズを多角的に分析することができ、アドバンテージが広がるでしょう。
本部勤務は、必ずしも販売職を経験する必要はなく、EC運営や外資系企業での勤務経験を活かして異業種から転職する人も数多く存在します。ただし、未経験からアパレル業界へ転職する際には、求人が多い販売職からスタートしてキャリアアップをめざすというルートが一般的です。
アパレル業界ではEC市場が拡大しており、SNSマーケティングや顧客のデータ分析ができるIT人材の需要が高まっています。マーケティングスキルやWebに関する幅広い知識がある人、ECサイトのディレクションの経験がある人は重宝されるでしょう。
また、近年はインバウンドが増加していることもあり、英語や中国語などの語学が得意な人は歓迎される企業が多いようです。外資系アパレルの本部勤務では英語が必須となるケースもあるため、将来的なキャリアパスを考えている人は語学の習得にもチャレンジしてみてください。
アパレルはブランドイメージが非常に重視される業界であり、ブランドの世界観と合うかどうかは採用にも大きく関わります。その企業でなければならない理由と、ブランドの成長に自分がどう貢献できるのかを伝えると、志望動機に深みが出ます。そのためにも、ブランドのコンセプトや方向性、ターゲット層についてしっかり企業研究を行いましょう。
アパレル業界では経験者が優遇されるものの、百貨店やホテルといったラグジュアリーな場所で接客を行ってきた人も高く評価される傾向があります。特に、外資系アパレルでは接遇スキルが重視されるため、接客経験のある人は具体的なエピソードを添えてアピールしましょう。
アパレル・ファッション業界では、自分の感性や美意識が大きな武器となります。自分らしい着こなしやトレンドの解釈を織り込むことで、顧客に新しい気づきを与えられるでしょう。ただし、個性と奇抜さは別物です。ブランドの世界観と自分の個性を上手に掛け合わせ、魅力的な発信ができる人が求められます。